http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1567859.html?from=navi_ranking
微妙なニュアンスで、大きな誤解を生じることがある。
まずは、質問者による「番組」の説明。
「(原発ではなく)原爆で放射能の影響で、転座や欠損といった『染色体異常』が生じることがある。
がん化の確率が格段に上がり、染色体異常は、分裂する細胞に多い。……しかし、『遺伝が原因と見られる病気がない』……何故なんでしょうか??」
といったものだ。
以下は菰池の回答である。
「放射能の影響は、子孫に遺伝病を遺伝しないが、
厳密には子孫繁栄に影響を与えている。」
①子孫繁栄に影響
というのは、重い染色体異常の子どもは長生きできないうえ、
減数分裂の失敗で生殖細胞をつくれない。
減数分裂というのは、父と母とから譲り受けた一組2本の染色体が、一本ずつ配偶子に入る分裂のことだ。頭から足の先まで、きちんと一組ととのった精子や卵をつくる分裂のことだ。
(染色体異常の子どもが、仮に繁殖力のある生殖細胞をつくったとしても、転座や欠損した染色体のまま遺伝するから、放射能は子孫の遺伝子に影響があるといえる。
かつての生命の大進化も、何らかの原因により、
このような大きな染色体異常が遺伝した可能性がある。
つまり、重い染色体異常の遺伝というのは、
いきなり、ハ虫類から鳥類、またはホ乳類のような子孫が
突然生じるレベルの異常ということだ)
②遺伝病は遺伝しない
と言うのは、遺伝病には病気の遺伝子というものがあり、
優性ならば二つのうち1つ、
多くは劣性遺伝子が二つ重なると発病するものである。
③放射線のDNAへの影響
放射線により、DNAが傷つくと言うのは、
DNAの並びがひらがなの日本語であるとたとえると、
「あいうえお」の「い」が欠損したり、「え」が別の物質の「E」に変わるなどが生じ、
「あいうえお」が「あうEお」といった、まったく別の意味の単語となり、
発生が進まなかったり、うまくタンパク質がつくられなくなるといった類のものである。
発生が進まなかったり、うまくタンパク質がつくられなくなるといった類のものである。
分裂の盛んな細胞に多い理由は、すでに筋肉の細胞に特化したものが、遺伝子が傷ついても、そのまま筋肉のままであるが、
これから別の細胞に分裂しようとしている幹細胞の場合、
遺伝子が傷つくと、血球や精子、卵へと正しく変化できないためである。
致死性のものが多いのは、生命維持に係わる奇形が起こりうるからである。
これゆえ、優性の遺伝子が劣性に変化するわけではないため、
放射線により、劣性遺伝子が原因の遺伝病が発病することはまずない。
これが、テレビ番組の「放射能による影響が子孫に遺伝はしない」という意味である。
デマと言うのは、このような、微妙なニュアンスの取り違えによることもある。
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